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荒々しい虎・龍・鷹が題材になった桃山時代の絵画

2010/04/22 No Comment

桃山時代は言うまでもなく乱世の時代。多くの者が天下統一という覇権をめぐり、己の野心をあからさまに露呈しながら現世の利益を求めた時代だと言えます。

美術においてもその部分が顕著に表れていて、下で紹介する絵図などは、それぞれの大名が己の力を誇示するために、絵師達に作らせたものが殆ど。
特に、龍虎のような武を象徴する絵図に関しては、勇猛で豪快な戦国武将がこぞって欲しがったモノなのでしょう。

それにしても、どの絵図も現代人には絶対に描けないと思われるくらいの力強さと迫力があります。
やはり、戦国と今とでは日本人の気性の違いが大きいのでしょうね。

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長谷川等伯 龍虎図屏風

この龍虎図屏風には長谷川等伯・68歳の落款があるようなので、彼の晩年作だと考えられています。(1599年頃)
この作品は、風を呼び起こす猛虎を左下に、それに対峙する怒りをあらわにした龍が右上に配置され、両者の気迫溢れる動勢が見事に表現されています。特に、墨のくまどり(濃淡やぼかし)を使って龍の頭部だけを浮かび上がらせた描写方法は、龍の神秘性といかにも雄大な雰囲気が非常によく伝わってきます。本当に凄い絵図ですね。
長谷川等伯 龍虎図
長谷川等伯 龍虎図2

狩野山楽 龍虎図屏風

空を切り裂くように現れた龍と、それに対して咆哮する猛虎が凄くよく連動していて臨場感溢れる素晴らしい作品です。龍虎図と言うのは元々、風雲を呼ぶという題意があるようで、当時の戦国武将から大変気に入られていました。また、金地の大画面に龍・虎・豹という組み合わせからも、戦国時代の荒々しさと権力の綺羅びやかさを連想させますね。
狩野山楽1
狩野山楽2

曾我直庵 松柏に鷹図屏風

鷲鳥図とは、白鷹が狼に襲いかかり、大鷹があたりを睨みわすというのが一般的。この松柏に鷹図もその好例だと思います。金雲で四周を囲んで置いて、その真ん中には水墨で躍動感のある大鷹、さらには力強い松の枝などを配置する。本当に絵そのものに動きを感じますね。
松柏に鷹図屏風

海北友松 雲龍図屏風

水墨画家として有名な友松ですが、とりわけ墨龍を得意としたそうです。この作品も空を割って出てくるド迫力の龍を、墨の濃淡を巧みに活かして描いています。暗雲の中に見え隠れする尻尾や胴体、また、そのうろこや爪の先までが何となく不気味な感じがし、龍本来が持つ神秘性に凄みが強く付け加えられています。カッコ良すぎます!
海北友松 雲龍図

狩野永徳 唐獅子図屏風

唐獅子図屏風は、秀吉が中国の毛利攻めの際に彼の陣屋で使用していたもの。信長が本能寺で倒れ毛利との和睦が急務となった時に、秀吉はこの唐獅子図屏風を和睦の印として毛利側に贈ったとされています。毛利家では、この唐獅子図屏風を明治まで保管し、その後明治大帝に献上したとされています。
狩野永徳 唐獅子図
作品には、いかにも戦国武将に気に入られそうな豪快さがあり、はつらつとした気風が漂っています。本当に凄まじい迫力としか言えないですね。

参考文献:日本の美術9 208号桃山絵画 編集武田恒夫氏

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